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― トッピクス ―
2022年の非鉄市況は、一過性の要因による短期的な調整はあるかもしれませんが、SDGsや脱炭素の流れが世界的に加速する中で、代表的な銅の価値も引き続き重要性を増してくると思います。
一方、今年の主なリスクはテーパリング(量的緩和の縮小)後の、米国の利上げ時期と、昨年ピークを迎えた中国経済の下押し動向で、オミクロン株の感染拡大も懸念材料であります。
近年、「SDGs」とか「カーボンニュートラル」という標語を耳にしたことがあるかと思いますが、これは我々の仕事にも大きく関わっていることなので、簡単に説明します。
SDGsとは、2015年に国連サミットにて「持続可能でよりよい社会の実現を目指す世界共通の目標」として17の目標が掲げられており、2030年を達成年限とされています。
我々に直接関係するのは、目標7番の「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」、目標13番の「気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる」です。これらへの積極的な取り組みが強く求められています。
カーボンニュートラルは、2050年に温室効果ガス(二酸化炭素・フロンガスなど)の排出量と吸収を均衡させることで、日本語では「脱炭素社会の実現」と理解すればいいと思います。
非鉄業界は脱炭素社会に向けて取り組みを本格化してきており、我が社もSDGsの宣言を理解して新たな方向性を示すことが必要となってきています。
身近なところでは、我々の金属リサイクル業界は、国連がSDGsを採択する以前から環境に対して大きな貢献を行って来ました。金属スクラップを原料として使用することは、鉱石を原料として溶解するよりも、CO2二酸化炭素の排出量は4分の1に抑制できると言われております。
循環型社会の構築推進が言われているなかで資源リサイクルの仕事に携わることは、何よりもSDGsの目標に貢献することになります。
金属スクラップは、政府が推進するカーボンニュートラルや脱炭素化などのグリーン政策によって、今後も需要の増加が期待されています。
昨年2月にJX金属では「都市鉱山の利用を増やしリサイクル原料の利用促進が重要」とし、「銅製錬におけるリサイクル原料比率を足元の12%程度から2040年には50%まで引き上げる」ことを目標とするなど、近年リサイクル原料に注目が集まっています。弊社の最大得意先である角丁メーカーは、ほぼ100%非鉄スクラップを原料としています。
我々は納入先の製造メーカーから今後もパートナーとして選ばれる存在となって、共に発展するよう心掛けることが大切なことです。
脱炭素化実現のためにリサイクル業界が果たす役割は大きく、今後もさらに重要性を増していくことでしょう。
我々が携わっている仕事は社会から必要とされており、決して無くなることのない、大切な仕事です。
社会に貢献していることを胸に、誇りを持って日々の業務にあたりましょう。
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